たったひとつの約束

6月29日(水) くもり


『たったひとつの約束』


 小さな町の小さな野原のすみっこに、まっ白なたんぽぽの綿毛がふうわりと舞い降りました。

綿毛は風にのって、遠い町からたったひとりきりで、この町までやってきたのです。

 まっ白な綿毛は、冷たい地面にそっと横たわると、静かに眠りにつきました。



 どのくらい時がたったのでしょう。あたたかなお日様の光にきづいて目をさますと、

綿毛はいつのまにか、若いたんぽぽへと成長していました。

 あたりを見わたすと、うすいピンクやきいろ、水色や白色のつぼみをつけた花たちが

まだ少しつめたい春の風にゆれています。

若いたんぽぽは思いました。

「どうか私も、かわいいぼうやたちに恵まれますように。」



 ある新月の夜のことです。

若いたんぽぽはふしぎな夢を見ました。

「ひとつだけ、たったひとつだけ約束を守れるのなら、おまえの願いをかなえてあげよう。」

神様が若いたんぽぽにそう語りかけます。

「はい、どんな約束でも。」

若いたんぽぽは、神様とたったひとつだけ約束をしました。



 新月の夜が明けました。

若いたんぽぽが目をさまし、とじていた葉っぽを広げてみると、

若いたんぽぽのあたまの上に、100人のぼうやたちが誕生していたのです。

 みんなおそろいの、黄色いかみの毛に黄色のぼうし、黄色のシャツに黄色のズボンをはいた

かわいらしいぼうやたちです。



 若いたんぽぽは、お母さんたんぽぽになったのです。

お母さんたんぽぽは、ぼうやたちをひとりひとり抱きしめ頬にくちびるをよせました。

ぼうやたちは、くすぐったいのと、はずかしいのと、うれしいのとで、

首をすくめてきゃっきゃと笑っています。

 お母さんたんぽぽは、100人のぼうやたちを幸せな気持ちで見つめました。






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by a24ma35 | 2016-06-29 09:32 | まこママのつぶやき

ニャン生、何が起こるかわからない。たった一匹であの世に旅立つ寸前、おれは『寅吉』になったんだ。一匹ぼっちだったおれに、突然パパとママ、それから元気で優しいお兄ちゃんが3人もできちゃった。寅んちに遊びにおいでよ!!


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