たったひとつの約束

6月30日(木) くもり



 100人のぼうやたちは、お母さんたんぽぽのあたまの上で、何も心配することもなく

みんな仲良くくらしていました。

 100人のぼうやたちは、ひとりひとりとても素敵な特技を持っていました。

ある子はものすごく勉強家です。遠い国から風が運んできた新聞の切れ端を、たくさん集めています。

そして、お母さんたんぽぽに世界中の不思議なできごとを教えてくれるのです。

「あなたのお話は、世界一ね! どんな物語よりもおもしろくてためになるわ。」

そういって、お母さんたんぽぽはその子をぎゅっと抱きしめました。




 ある子はものすごく運動が得意です。すばしっこいありんことかけっこ競争をしても、

バッタとジャンプ競争をしても、大きなカブトムシとおすもうをとっても、いつだってぼうやの勝ちなんです。

「あなたの運動神経は世界一ね! 金メダルのプレゼントよ。」

そういって、お母さんたんぽぽはその子もぎゅっと抱きしめました。




 ある子はとても優しい心の持ち主です。風に飛ばされそうなクモの子をそっと両手で守ってやります。

ひとりぼっちの子猫が眠りにつくまで、優しく子守唄を歌ってやります。

そして、いつもお母さんたんぽほにたずねるのです。

「ママ、ぼくたち重くない? つかれたら、座ってゆっくりしてね。」

お母さんたんぽぽはその子をぎゅっと抱きしめ言いました。

「あなたの心の優しさは世界一ね! 大丈夫よ。あなたたちの重さは幸せの重さなんだから。」




 ある日の夕方、強い風が吹き荒れました。

太くて大きな木も、ばっさばっさと枝をゆらし、立っているのもやっとなくらいです。

お母さんたんぽぽは、ギザギザの葉っぱをせいいっぱいのばして、いじわるな風からぼうやたちを守ります。

いまにも地面からひきはがされそうなほどでした。それでもお母さんたんぽぽは

「これくらいの風、どおってことないわ。」

とぼうやたちにほほえみました。

 お母さんたんぽぽの笑顔を見ているだけで、ぼうやたちはオオカミのほえるような大きな風の音も忘れて

ぐっすりとねむることができました。



 
 雨のふらない暑い日がつづきました。

このままでは、ぼうやたちののどがカラカラにかわいてしまいます。

「お水のあるところまで。どこかにお水はないかしら?」

お母さんたんぽぽは、固い土の中に思いっきり足をのばしました。

やっとお水のある深い土の中に足がとどいたとき、お母さんたんほぽの足にはたくさんのすり傷ができていました。

お母さんたんぽぽは、

「さあ、ぼうやたち。おいしいお水をたくさんおのみなさい。」

とぼうやたちにほほえみました。

お母さんたんぽぽの笑顔のおかげで、ぼうやたちはお母さんたんぽぽの足の傷には気づきませんでした。




 お母さんたんぽぽの笑顔につつまれて、ぼうやたちは幸せにくらしていました。

そしてお母さんたんぽぽも、ぼうやたちとずっと一緒にくらしていけるものだと信じていました。

ぼうやたちの黄色いかみの毛が、だんだんと白い綿毛にかわっていくのには気づかずに。






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by a24ma35 | 2016-06-30 15:24 | まこママのつぶやき

ニャン生、何が起こるかわからない。たった一匹であの世に旅立つ寸前、おれは『寅吉』になったんだ。一匹ぼっちだったおれに、突然パパとママ、それから元気で優しいお兄ちゃんが3人もできちゃった。寅んちに遊びにおいでよ!!


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