西江辰郎さんのシャコンヌ ~「午後の名曲散歩」シリーズ ~
2014年 11月 28日
パンフレットにある西江さんの対談から、
今回の演奏会の目玉は
「トゥリーナ」と「サン=サーンス」
なのかしら? と感じました。
「トゥリーナ」の『ソナタ・エスパニョーラ』は、
この日初めて西江さんのヴァイオリンで聴いた曲でした。
その名の通り、スペインの熱い日差しを思い起こさせるような
男性的で情熱的な力強い曲でした。
「サン=サーンス」というと
『序奏とロンド・カプリチオーソ』や『動物の謝肉祭』
をまず初めに思い浮かべます。
『ヴァイオリン・ソナタ第1番』は
やはりこの日が初めてでした。
でもね、ごめんなさい。
前日の夜、この日が楽しみ過ぎてなかなか寝付けず
当日も朝早く目が覚めてしまったせいでしょうか。
西江さんの豊かなヴァイオリンの音色に包まれながら
睡魔に片足をつかまれ、夢と現の間を行ったり来たりしてしまいました。
なんとも贅沢で至福の時間でした。
今回のプログラムで一番楽しみにしていた曲。
「ヴィターリ」の『シャコンヌ』です。
私がこの曲と出会ったのは、今から16年前ほど。
その時聴いたのはミルシテイン演奏のものです。
憑りつかれたように繰り返し聴き、
続いてハイフェッツの演奏にはまりました。
この時人生初めて、
すすり泣く、枯れたヴァイオリンの声を聴いてしまったのです。
西江さんのヴァイオリンで、何度かこの曲を聴かせていただきました。
初めての演奏は2006年のチャペルコンサート。
西江さんの演奏からは、ほの暗い情熱や甘美な悲しみを感じます。
プレーヤーによっていろいろな表現があるのでしょうし、
聴く側の心の在り方にもよるでしょう。
「誰の演奏と比べて好き」
などというようなものではなく、
私にとって西江さんの『シャコンヌ』は
唯一無二の宝物なんです。
西江さん。
幸せなひとときを、どうもありがとう!!
by a24ma35
| 2014-11-28 07:55
| 音楽のこと